Pentium J3710 ベンチマーク

いろいろなトラブルを解決し、やっと時間ができたので、この前録画環境として導入したPentium J3710で遊んでみた。

qsv_bench_J3710
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以前Braswellを使用したときは、やっぱりなにをするにしてもSilvermont系コアは遅いなあ、というのが感想だった。

それに比べると、今回のJ3710はN3150と比べるとCPUのクロックが3割程度向上しているのもあって、体感では以前に比べだいぶよくなったかも。



環境



比較した環境はこちら。

CPUJ3710N3150i7 4610Yi7 4770Ki7 6700K
世代Braswell改BraswellHaswellHaswellSkylake
コア4C/4T4C/4T2C/4T4C/8T4C/8T
Clock1.60GHz1.60GHz1.70GHz3.5GHz4.0GHz
(Turbo)2.64GHz2.06GHz2.90GHz4.2GHz4.3GHz
キャッシュL2 = 1MBx2L2 = 1MBx2L3 = 4MBL3 = 8MBL3 = 8MB
TDP/SDP6.5W6W6WUnlockUnlock
メモリDDR3L-1600DDR3-1600DDR3-1600DDR3-2400DDR4-2933
(channel)2ch2ch2ch2ch2ch
(容量)16GB8GB4GB8GB16GB
マザーJ3710MN3150-ITXVAIO Tap 11Z97E-ITX/acZ170-PRO
iGPUHDG 405HDGHDG 4200HDG 4600HDG 530
(世代)第8世代第8世代第7.5世代第7.5世代第9世代
(EU)18EU12EU20EU20EU24EU
(Clock)740MHz640MHz850MHz1250MHz1150MHz
(ドライバ)43644380438044144463
dGPUなしなしなしなしなし
OSWin8.1 x64Win10 x64Win10 x64Win8.1 x64Win10 x64


まあスペックとしては、J3710はいわゆるBrawell Refreshで、N3150と比べるとCPUのクロックが3割近くあがり、さらにGPUもEU数が1.5倍と、なかなか強力になっていることがわかる。…てかBraswellってJ3710が出てくるまでEU=18のってなかったと思うけど無効化してたのかなあ…。



x264エンコード



まずはCPU速度を確認してみる、ということでx264エンコード。

x264 r2705 kMod x64

sakura_op.mpg (1280x720, mpeg1, 30fps, 1分56秒)をffmpegでデコードしてy4mでx264に渡してあげてエンコード。

オプションは --preset slowのみ。

J3710_bench_x264

まあ、Core i7とかに喧嘩を売るのは無謀なわけで、基本遅いのは仕方がない。ただ、N3150から比べると、CPUクロックがそれなりにあがっているので、そのぶんきちんと速度も3割近くあがっていて、この違いは結構大きいのかなと思う。



ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク



お手軽にできるGPUベンチマークということで、ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークをやってみた。

設定は、DX9、1280x720、標準品質(ノートPC)と、まあようは一番軽い設定で、描画を見てみると貧弱なのがまるわかりというぐらいの品質だ。実際にはこの設定ではプレイしたくないなあ。まあ今回はスコアを知りたいだけなので気にしない。

J3710_bench_ffxiv

Core i7などに対し大敗するのはまあ、GPUのクロックが大幅に低いということもあってしょうがないけど、J3710がN3150に対してほとんど差をつけられていないことが気になる。J3710=18EUに対しN3150=12EUなので、GPUのEU数は1.5倍なわけで、もう少し差がついてもいいんじゃないだろうか…という気がしていたが、原因は次のベンチマークで分かった気がする。




キャッシュ・メモリ速度 ベンチマーク



ram_speedでキャッシュ・メモリ速度をチェック。

J3710_bench_ram

うーん。相変わらず…(苦笑)

まあJ3710のL1キャッシュの速度がCore i7のL3キャッシュ並みの速度しかないというのもすごいけど、それよりJ3710はメモリアクセス速度は(あたりまえだが)全く変わっていない(8.8GB/s!)というところが重要なのだと思う。L1/L2キャッシュについてはちゃんとN3150より伸びてるんだけど…。

なので、さっきのFFXIVベンチマークのようにメモリ帯域が重要なものでは、メモリで律速されてしまって、GPUが強化されたとはいってもN3150とJ3710でほとんど差が出ないのかな、という気がする。

EU増やした効果がないのは悲しい…。



QSV ベンチマーク



QSVのエンコード速度をチェック。

QSVEncC (x64) 2.54

オプション
--benchmark result.txt

入力
sample_movie_1080p.mpg (MPEG2, 1920x1080, 29.97fps, 2分53秒)
sample_movie_1080p_h264.mp4 (H.264/AVC, 1920x1080, 29.97fps, 2分56秒)

ちなみにJ3710とかのSilvermontの場合、x64版のほうがx86版よりも明らかに速いので、x64版を推奨。Silvermontはロード/ストアあわせて1命令/cycleと非常に貧弱なため、使用レジスタが増え、ロード/ストアの減るx64のほうがいいのだと思う。x64だとREXで命令長が伸びるという問題もあるけど、命令長が8byteを超えなければ、2命令/cycleのデコードなんだしそっちはあまり問題にならないのかもしれない。

まずはソースをMPEG2にして、QSVデコードの場合とHWデコードの場合、1080pのままエンコードする場合と720pへのリサイズをする場合でチェックしてみた。

棒グラフがエンコード速度で、折れ線はCPU使用率。

J3710_bench_qsv_mpeg2

J3710はCore i7などと比べても結構健闘していて、1080pで150fpsというなかなかの速度でエンコードで来ている。

N3150との差はやはりメモリ帯域の問題であまり大きくはない。特に1080pでは、ほとんど差が出ておらず、このあたりが限界なのかもしれない。一方、720pへのリサイズでは、エンコードがより高速に進むようになるため、EU数が増え、CPUのクロックも高いJ3710がより速くなっている。

i7 4770Kのswデコード時のスコアが極端に悪いのはGPU Boostがかからなかったため。



次は、ソースがH.264の場合。

J3710_bench_qsv_h264

こちらはリサイズの有無にかかわらず、J3710はN3150よりかなり速くなっている。EU数の増加もあるけど、QSVエンコード中はそれなりにCPUを使うので、CPUのクロック向上も効いているのかもしれない。

こちらもi7 4770Kのswデコード時のスコアが極端に悪いのはGPU Boostがかからなかったため。



というわけでPentium J3710の性能をチェックしてみたけど、まずCPUのほうはクロックの上昇分の性能向上があって、これはなかなか大きい。Pentium J3700からだとそれほど大きな差ではないかもしれないけど、Celeron N3150と比べると結構大きな違いになっている。

一方、GPUのほうは確かにEU数は伸びているのだが、メモリ帯域の不足によってオーバースペックになっている感が否めない。それでもQSVをやるとそれなりに速くなっているので完全に無駄、というわけでもないみたい。

以前Celeron N3150を使った時には、遅いと感じることが多かったが、Pentium J3710では遅いと感じる頻度は結構減ったと思う。CPUクロックが3割上がるというのはやはり効果が大きいんだな、と実感できた。普段は録画・ファイルサーバーとして使ってるけど、特に不満はなく使用できている。まあメインPCとして使う気はさすがにしないけど、1万3000円前後の省電力CPU&マザーとしては用途を選べば十分ありかな、と思う。


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非公開コメント

No title

あの今はqsvでエンコードする10bitできる?
ごめんなさい、こちらのパソコンは3770K たぶん無理と思う
それにしても知りたい

Re: No title

現状ではSkylakeですら10bitエンコードには対応していません。
QSVだとKabylakeからのようです。

x264でi7 4610yがbraswellにすら負けているのはメモリ容量のせい?

それとも本当に負けている?

Re: タイトルなし

i7 4610Yが本来の力を発揮できれば勝てると思うのですが、タブレットPCのCPUなので、強烈に電力制限がかかっていて、高クロックを維持できないためです。この状況に関しては、以下の記事をご覧ください。
http://rigaya34589.blog135.fc2.com/blog-entry-467.html
http://rigaya34589.blog135.fc2.com/blog-entry-468.html

No title

>J3710
つけっぱなし目的の省電力pcとしては順当な性能アップなんですね。
自分は悩んだ結果J3710ではなく(トータルコストがそれほど変わらないので)
Pen G4400で一台組みましたが録画PCとしてはこれでもちょっと贅沢だったかも

用途が決め打ちできれば今の時期J3710もいい選択ですね。
ほんとはKabyLake-Uとかを強引に組み込んだ変態マザーとか発売してくれれば
自作派としては面白いんですが…

Re: No title

たしかにコストとしては、Pen G4400でもあまり変わらないですね…。

結果的にはJ3710で十分でしたが、シングルスレッド性能が低いので、買う前はJ3710でパワー不足にならないかなと結構心配しました。そういう意味ではPen G4400のほうが安心かもしれません。

KabyLakeはいつ出るんですかねえ、NUCとかでもサクッと出てくれるとそれはそれで面白いのですが。
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